iDeCo(イデコ)相談サービス

公的年金だけでは足りない

公的年金の仕組み


定年退職後の老後を支える柱は、国の年金(公的年金)です。公的年金は、1階に国民年金(基礎年金)、2階に厚生年金からなっており、会社員・公務員等は、国民年金と厚生年金に加入、自営業・主婦等は、国民年金に加入する仕組みです。

 

保険料は、厚生年金は毎月の給料から約9%天引きされ、在職中であれば最長70歳まで加入しなければいけません。国民年金は、毎月16,490円(平成29年度)、原則として20歳から60歳まで加入が必要です。

 

年金がもらえる時期は、男性は昭和36年4月2日(女性は昭和41年4月2日)生まれ以降は、65歳からとなります。

 

図表1、公的年金の仕組み

出所 厚生労働省HP

年金、いくらもらえる?


では将来、年金はいくらもらえるのでしょうか?

 

毎年、誕生月に日本年金機構から送られてきます「ねんきん定期便」を取り出してください。このはがきの意味がわからず、捨てられている方も少なくないかもしれませんが(笑)

 

50歳以上の方は、将来受け取れる年金の見込み額が、50歳未満の方は、今まで払った保険料に対する年金額(下図右下の(1)と(2)の合計)が書かれています。

 

図表2、ねんきん定期便(50歳未満)

出所 日本年金機構HP

もらえる年金の額は、年収と加入期間によって決まります。将来受け取れるおおよその年金額を把握する簡単な方法は以下の通りです。

現時点のねんきん定期便の額に以下で算出した額を加えます。

  • 国民年金(老齢基礎年金)-約2万円×60歳までの加入年数
  • 厚生年金(老齢厚生年金)-年収×60歳までの加入年数×0.0055

たとえば、現在35歳、年収450万円の方の場合

  1. ねんきん定期便の額-100万円
  2. 国民年金(老齢基礎年金)-50万円(約2万円×25年)
  3. 厚生年金(老齢厚生年金)-62万円(450万円×25年×0.0055)

上記の1~3を合計すると、将来もらえる年金の概算は年額212万円となります。

公的年金だけでは足りない


老後の生活に対しては、多くの方が不安を抱いています。その理由の一番が、公的年金だけでは不十分というものです。

 

ネットや雑誌等に、老後資金は〇千万円必要、とセンセーショナルな見出しが出ていますが、実際の数字をみてみましょう。

 

下図上段、収入の大半を占める「社会保障給付」193,051円は受け取れる年金額ですが、支出が267,546円ありますので、黒塗りの「不足分」54,711円が毎月赤字になります。

 

老後生活の不足額を、平均余命で計算すると、

月54,711円×12カ月×約25年=16,413,300円

単純計算、生活費として約1,600万円不足するかたちになります。

 

実際の年金額や毎月の支出額は世帯により異なりますので、不足額も変わってきます。さらに、病気や介護になることを想定したらプラス数百万円は必要ではないでしょうか。

図表3、高齢夫婦無職世帯の家計収支(2016年)

出所 総務省家計調査

iDeCo、やったほうがいい理由

iDeCoのキホン


iDeCoはイデコと読み、正式名称は「個人型確定拠出年金」、英訳のindividual-type Defined Contribution pension plan」の頭文字を取って名付けられました。

 

iDeCoは個人が自分の老後の資金を準備するための私的年金で、加入者が自分で掛金を拠出し、自分の判断で運用する制度です。公的年金の国民年金が1階、厚生年金が2階なのでiDeCo3階に位置づけされます。

 

個人型確定拠出年金自体は2001年からスタートするも加入者は伸び悩んでいましたが、今注目されているのは2017年1月から加入できる対象者が大幅に拡大されたからです。

 

従来の会社員(*)、自営業に加えて企業年金(確定給付企業年金・厚生年金基金)を実施している会社員や公務員、主婦も対象となり、現役世代すべてが加入できるようになりました。*会社員は企業型確定拠出年金(企業型DC)がある場合加入できないケースあり

 

60歳未満の方が対象で、毎月の掛金の上限は決まっています。(以下表ご参照)

 

自営業は月額6.8万円、主婦は月額2.3万円、公務員は月額1.2万円とシンプルですが、サラリーマン(会社員)は、企業型DC、企業年金(確定給付企業年金、厚生年金基金)を会社で実施している場合は、ちょっと複雑です。上述しましたが、iDeCoに加入できないケースもありますので、会社員の方は、会社に加入の可否を確認してください。

図表4、iDeCo掛金拠出限度額

出所 国民年金基金連合会HP

iDeCoは老後資金を作るための私的年金という位置づけのため、60歳前の解約は原則できません。途中で積立てを停止したり再開することはできます。教育資金や住宅資金とは別枠の余裕資金でおこなうようにしましょう。

運用対象商品は大きく2つ


運用する商品は大きく分けて2つあります。ひとつは、「元本確保型商品」で、預貯金、保険商品、もう一つは、「元本変動型商品」で、主に投資信託になります。

 

「投資信託」と聞いて、引いてしまった方も少なくないと思います。今まで専門家の間で絶賛されていた「確定拠出年金」がブレークできなかったのも、日本人の投資(株、投資信託等)に対する抵抗が強かったのが大きいでしょう。資産のうち、ほとんどが預貯金や保険が占め、株や投資信託の割合は約15%程度にとどまっています。

 

しかし、公的年金だけでは足りない今日、自分の将来に必要なお金は自分で準備しないといけない時代といっていいかもしれません。

 

下の表は、現在マイナス金利のため預貯金だとほとんど殖えないなか、毎月2万円積立てた場合の元本720万円(月2万×12カ月×30年)に対して、年率1%、2%、3%で複利運用したらどのくらい殖えるかというものです。

 

1%で123万円、2%で273万円、3%で456万円と運用益がつき、3%の場合は元本720万円が1,176万円と約1.6倍になります。

 

いうまでもなく預貯金にお金を預けておくのと大きな差がつき、給料がなかなか上がらないなか、将来の不足分を補う支えとなりえます。

図表5、毎月2万円積立てた場合の貯蓄額

やったほうがいい理由


自分の将来に必要なお金は自分で準備しないといけない時代、運用でお金が殖える、といわれても、投資もやったことがないし、第一歩を踏み出せない、という方も たくさんいると思います。

 

iDeCo(イデコ)の最大のメリットは、税制面で非常に優遇されていることです。

  1. 掛金が全額所得控除されるので税金が減ります。
  2. 運用によって利益が出た場合、通常は利益に対して約20%の税金がかかりますが非課税です。
  3. 将来、年金や一時金で受け取るときも控除がありますので一定額まで税金がかかりません。

上記のメリットにあまりピンとこなかった方や意味がよくわからなかった方もいると思いますが、税金が軽減されるということは、マイナス金利のなか資産を形成する上で大きな効果がありますので、以下ご説明します。

 

1.掛金が全額所得控除されるので税金が減ります。

税金は収入から各種控除(給与所得控除、所得控除)を引いた所得に税率を掛けて決まります。iDeCoの掛金は全額所得控除されるので、掛金の額だけ税金が減ることになります。

たとえば、所得が400万円、iDeCoで月額2.3万円掛けた場合、8万2,800円税金が安くなります。給料がほとんど上がらないなか、家計にとって年間これだけの額がプラスになるのは大きいでしょう。

 

図表6、iDeCo 所得税・住民税の節税効果表

課税所得  税率 掛金
所得税 住民税  月額1.2万円 月額2万円 月額2.3万円
195万円以下 5% 10% 2万1,600円 3万6,000円 4万1,400円
195万円超330万円以下 10% 2万8,800円 4万8,000円 5万5,200円
330万円超695万円以下 20% 4万3,200円 7万2,000円 8万2,800円
695万円超900万円以下 23% 4万7,520円 7万9,200円 9万1,080円

2.運用によって利益が出た場合、通常は利益に対して約20%の税金がかかりますが非課税です。

金融商品で運用する場合、通常は収益に対して20.315%の税金がかかりますが、iDeCoでは税金がかかりません。

 

上記図5で、年率3%で30年間運用した場合、元本720万円が1,176万円になったので、運用益は456万円です。通常であれば91万円(約20%)の税金がかかりますが、iDeCoは税金が0円です。

 

 低金利のため運用益がほとんどない預貯金だと、この節税メリットが活かされません。

 

3.将来、年金や一時金で受け取るときも控除がありますの一定額まで税金がかかりません。

iDeCoで積立てたお金は、60歳から70歳までの間(*)であれば、好きなときに受け取ることができます。(*)加入期間によって開始年齢は異なります。受取り方法は、年金(分割受取り)または一時金(一括受取り)から選べます。

 

年金で受取った場合、雑所得として課税されますが、公的年金同様に「公的年金等控除」の対象となり、一定額まで税金がかかりません。

 

雑所得の金額=収入金額(公的年金、iDeCo等)-公的年金等控除額 

60歳から64歳、年70万円

65歳以降、年120万円

65歳時、公的年金とiDeCoを合算して、年120万円までは税金がかかりません。

 

 

一時金で受取った場合、退職所得として課税されますが、「退職所得控除」の対象となり、一定額まで税金がかかりません。

 

退職所得の金額=(収入金額ー退職所得控除額)×1/2

 

iDeCoを30年積立てた場合、退職所得控除が1,500万円(40万円×20年+70万円×10年)あるので、1,500万円までは税金がかかりません。

 

 

今までご説明した通り、税制面でこれほど優遇された金融商品はありません。これを賢く活用するか否かが将来のあなたの生活を左右するのではないでしょうか。

シンプル投資法


自分の将来に必要なお金は自分で準備しないといけない時代、税制面でこれほど優遇された金融商品はない、という背景のなかiDeCoをやってみようと思い立ったものの、何も知らずに船をだせば遭難してしまいます。

 

まず、投資に絶対もうかる方法なんて世の中に存在しません。仮にすごくもうかる方法があっても、他人に言うわけがありません。投資戦略も諸説分かれるものも多数あります。

 

ここではシンプル投資法と題して、iDeCoで初めて投資にチャレンジするうえで必要最低限必要な知識についてご説明します。

 

  1. リスクとリターン
  2. 運用方針
  3. アセットアロケーション
  4. インデックスファンド投資

 

1、リスクとリターン

日常「リスク」という言葉は、「危険」という意味で用いますが、投資でいうリスクは、期待した収益に対するブレのことをいいます。マイナスだけでなくプラスのブレもあります。

 

ブレが小さければリスクは低く、ブレが大きければリスクは高くなります。

 

 一方、「リターン」とは、投資した金額に対してどれだけの収益額をあげられたかの割合です。

 

リスクとリターンは比例する関係にあり、リスクが高いとリターンも高く、リスクが低ければリターンも低くなります。「虎穴(こけつ)に入らずんば虎児(こじ)をえず」の通り、ローリスク・ハイリターンの組み合わせはないということです。

 

ここで大切なのは、自分がどれだけリスクに耐えられるか(リスク許容度)を知ることで、それが運用方針に影響します。

 

リスク許容度を決めるものに、年齢や収入・資産があげられ、一般的に、若いときはリスク許容度は高く、収入や資産が多い投資家はリスク許容度が高い傾向ですが、個人差があり一様ではありません。

 

下図は金融商品別のリスク・リターンの関係をあらわしたものです。元本保証の預貯金がローリスク・ローリターンで、右に上がっていくほどリスク・リターンとも高くなります。

図表7、金融商品とリスク・リターンの関係

2、運用方針

iDeCoで老後資金作りをするにあたって、目標となる資金を設定します。目標額を設定するためには、現在の家計の収支状況を把握し、定年までの収支を予測したものを加えることにより、老後に必要な資金の額を出します。

 

目標額を設定したら、掛金と運用利回りを確認しましょう。図表4の通り、職種によって掛金の上限額は決まっていますので、所有する資産のうち、税制面でメリットのあるiDeCoにできるだけ振り分けようにしましょう。

 

運用利回りは目標額と掛金で決定します。

たとえば、30歳の方で目標額を1000万円、月額掛金2万円とした場合、運用利回り2%ですと貯蓄額は993万円となりほぼ目標を達成します。図表5参照

 

目標額を高く設定し、運用利回りが高くならざるをえない場合は、自身のリスク許容度を超えてしまうケースもでできます。その場合は資金計画の再検討が必要です。

 

3、アセットアロケーション

アセットアロケーションとは、アセットは資産、アロケーションは配分で、株式や債券、預貯金などの資産をどのような比率で保有するかという配分のことです。アセットアロケーションで運用成果の約90%は決まるといわれているので非常に重要です。