「はじめての人でも簡単 ラクラク投資法」
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第2回 投資はコワい!?けど、するとしないとではこんなに差が!
第1回 年金だけでは安心して老後は送れません!
公的年金だけでは足りない
公的年金の仕組み
定年退職後の老後を支える柱は、国の年金(公的年金)です。公的年金は、1階に国民年金(基礎年金)、2階に厚生年金からなっており、会社員・公務員等は、国民年金と厚生年金に加入、自営業・主婦等は、国民年金に加入する仕組みです。
保険料は、厚生年金は毎月の給料から約9%天引きされ、在職中であれば最長70歳まで加入しなければいけません。国民年金は、毎月16,490円(平成29年度)、原則として20歳から60歳まで加入が必要です。
年金がもらえる時期は、男性は昭和36年4月2日(女性は昭和41年4月2日)生まれ以降は、65歳からとなります。
図表1、公的年金の仕組み
出所 厚生労働省HP
年金、いくらもらえる?
では将来、年金はいくらもらえるのでしょうか?
毎年、誕生月に日本年金機構から送られてきます「ねんきん定期便」を取り出してください。このはがきの意味がわからず、捨てられている方も少なくないかもしれませんが(笑)
50歳以上の方は、将来受け取れる年金の見込み額が、50歳未満の方は、今まで払った保険料に対する年金額(下図右下の(1)と(2)の合計)が書かれています。
図表2、ねんきん定期便(50歳未満)
出所 日本年金機構HP
もらえる年金の額は、年収と加入期間によって決まります。将来受け取れるおおよその年金額を把握する簡単な方法は以下の通りです。
現時点のねんきん定期便の額に以下で算出した額を加えます。
たとえば、現在35歳、年収450万円の方の場合
上記の1~3を合計すると、将来もらえる年金の概算は年額212万円となります。
老後資金はいくら足りない?
老後の生活に対しては、多くの方が不安を抱いています。その理由の一番が、「公的年金だけでは不十分」というものです。
ネットや雑誌等に「老後資金は〇千万円必要!」といったセンセーショナルな見出しが出ていますが、実際の数字をみてみましょう。
下図表3上段、収入の大半を占める「社会保障給付」193,051円は受け取れる年金額ですが、支出が267,546円ありますので、黒塗りの「不足分」54,711円が毎月赤字になります。
老後生活の不足額を、平均余命で計算すると、
月54,711円×12カ月×約25年=16,413,300円
単純計算、生活費として約1,650万円不足するかたちになります。
実際の年金額や毎月の支出額は世帯により異なりますので、不足額も変わってきます。さらに、病気や介護になることを想定したらプラス数百万円は必要ではないでしょうか。
図表3、高齢夫婦無職世帯の家計収支(2016年)
出所 総務省家計調査
イデコのキホン
1. iDeCoって?
iDeCoはイデコと読み、正式名称は「個人型確定拠出年金」、英訳の「individual-type Defined Contribution pension plan」の頭文字を取って名付けられました。
iDeCoは、個人が自分で拠出した掛金を、自分の判断で運用し老後の年金を準備するための制度です。公的年金の国民年金が1階、厚生年金が2階なので、iDeCoは3階に位置づけされます。
2. 加入対象者は?
国民年金に加入している60歳未満の方は、原則としてすべて加入できます。
2017年1月から加入できる対象者が大幅に拡大され、従来の会社員、自営業に加えて企業年金(確定給付企業年金・厚生年金基金)を実施している会社員や公務員、主婦も対象となり、現役世代すべてが加入できるようになりました。
ただし会社員は企業型確定拠出年金(企業型DC)がある場合加入できないケースがあります。
3. どこに申し込む?
iDeCoの取り扱いをしている金融機関(銀行、証券会社、保険会社)に申し込みます。金融機関は以下のポイントで選んでください。
4. 運用商品は?
元本保証型の預貯金、保険と元本変動型の投資信託です。個別株は対象外。
5. 掛金は?
掛金は毎月5,000円から1,000円単位で設定でき、年に1回変更ができます。2018年から拠出単位が月単位から年単位になります。
掛金の上限は決まっており、自営業は月額6.8万円、主婦は月額2.3万円、公務員は月額1.2万円、サラリーマン(会社員)は、企業型DCと企業年金(確定給付企業年金、厚生年金基金)の有無で金額が月額2万円か1.2万円になります。(以下図表4)
図表4、iDeCo掛金拠出限度額
出所 国民年金基金連合会HP
6. 注意点は?
iDeCoは老後資金を作る目的のため、60歳前の解約は原則できません。途中で積立てを停止したり再開することはできます。教育資金や住宅資金とは別枠の余裕資金でおこなうようにしましょう。
iDeCo3大メリット
iDeCoの最大のメリットは、税制面で非常に優遇されていることです。
税金が軽減されるということは、低金利のなか資産を形成する上で大きな効果がありますので、以下ご説明します。
1. 掛金が全額所得控除されるので税金が減ります。
税金は収入から各種控除(給与所得控除、所得控除)を引いた所得に税率を掛けて決まります。iDeCoの掛金は全額所得控除されるので、掛金の額だけ税金が減ることになります。
たとえば、所得が400万円、iDeCoで月額2.3万円掛けた場合、8万2,800円税金が安くなります。給料がほとんど上がらないなか、家計にとって年間これだけの額がプラスになるのは大きいでしょう。
図表5、iDeCo 所得税・住民税の節税効果表
課税所得 | 税率 | 掛金 | |||
所得税 | 住民税 | 月額1.2万円 | 月額2万円 | 月額2.3万円 | |
195万円以下 | 5% | 10% | 2万1,600円 | 3万6,000円 | 4万1,400円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 2万8,800円 | 4万8,000円 | 5万5,200円 | |
330万円超695万円以下 | 20% | 4万3,200円 | 7万2,000円 | 8万2,800円 | |
695万円超900万円以下 | 23% | 4万7,520円 | 7万9,200円 | 9万1,080円 |
2. 運用によって利益が出た場合、非課税です。
金融商品で運用する場合、通常は収益に対して20.315%の税金がかかりますが、iDeCoでは税金がかかりません。
年率3%で30年間運用した場合、元本720万円が1,176万円になるので、運用益は456万円です(下図表6)。通常であれば91万円(約20%)の税金がかかりますが、iDeCoは税金が0円です。
低金利のため運用益がほとんどない預貯金だと、この節税メリットが活かされません。
3. 年金や一時金で受け取るときも一定額まで税金がかかりません。
iDeCoで積立てたお金は、60歳から70歳までの間(*)であれば、好きなときに受け取ることができます。(*)加入期間によって開始年齢は異なります。受取り方法は、年金(分割受取り)または一時金(一括受取り)から選べます。
年金で受取った場合、雑所得として課税されますが、公的年金同様に「公的年金等控除」の対象となり、65歳時、公的年金とiDeCoを合算して、年120万円までは税金がかかりません。
一時金で受取った場合、退職所得として課税されますが、「退職所得控除」の対象となり、一定額まで税金がかかりません。
30年積立てた場合、退職所得控除が1,500万円(40万円×20年+70万円×10年)あるので、1,500万円までは税金がかかりません。
今までご説明した通り、税制面でこれほど優遇された金融商品はありません。これを賢く活用するか否かが将来のあなたの生活を左右するのではないでしょうか。
将来不足するお金は自分で準備する時代
運用する商品は大きく分けて2つあります。ひとつは、「元本確保型商品」で預貯金、保険商品、もう一つは、「元本変動型商品」で主に投資信託になります。
「投資信託」と聞いて、引いてしまった方も少なくないと思います。今まで専門家の間で絶賛されていた「確定拠出年金」がブレークできなかったのも、日本人の投資(株、投資信託等)に対する抵抗が強かったのが大きいでしょう。資産のうち、ほとんどが預貯金や保険が占め、株や投資信託の割合は約15%程度にとどまっています。
しかし、公的年金だけでは足りない今日、自分の将来に必要なお金は自分で準備しないといけない時代といっていいかもしれません。
下の表は、現在マイナス金利のため預貯金だとほとんど増えないなか、毎月2万円積立てた場合の元本720万円(月2万×12カ月×30年)に対して、年率1%、2%、3%で複利運用したらどのくらい増えるかというものです。
1%で123万円、2%で273万円、3%で456万円と運用益がつき、3%の場合は元本720万円が1,176万円と約1.6倍になります。(図表6)上述のとおり、運用益に対して税金はかかりません。
いうまでもなく預貯金にお金を預けておくのと大きな差がつき、給料がなかなか上がらないなか、将来の不足分を補う支えとなりえます。
図表6、毎月2万円積立てた場合の貯蓄額
「自分の将来に必要なお金は自分で準備しないといけない時代」「税制面でこれほど優遇された金融商品はない」といわれても、何も知らずに船を出せば遭難してしまいます。
投資に絶対もうかる方法なんて世の中に存在しません。投資方針も諸説あります。
ここではラクラク投資法と題して、iDeCoで初めて投資にチャレンジするうえで最低限必要な知識についてご説明します。
リスクとリターン
リターンとは、投資によって得られる収益です。リスクとは、日常「危険」という意味で用いますが、投資でいうリスクは、期待したリターン(収益)に対するブレのことをいいます。マイナスだけでなくプラスのブレもあります。ブレが小さければリスクは小さく、ブレが大きければリスクは大きくなります。(図表7)
一般的には、リスクの小さな資産は得られるリターンが小さく、リスクの大きな資産は高いリターンが得られると言われています(これをリスクとリターンのトレ-ドオフといいます)。ローリスク・ハイリターンの組み合わせはないということです。
図表7、リスクとリターンの関係
リスクコントロール
リターンを得るためのリスクを完全に無くすことはできませんが、リスクを減らすことはできます。以下その方法についてご説明します。
1. 長期投資
長期間保有するほどリスクは縮小していき、比較的安定したリターンを得ることができます。(上図表7)
iDeCoは原則60歳までやめることができませんので、若いうちから始めるほど長期投資になります。また運用期間が長いと、複利効果が高まります。
2. 積立投資
定期的に一定の金額を投資していくというものです。投資のタイミングが分散され、平均購入価格を低く抑えることができます。
iDeCoの掛金は、現在は月単位(2018年から年単位も可能に)ですので、毎月一定の金額を投資する積立投資になります。
3. 分散投資
1つの種類の資産(金融商品)で運用するのではなく、複数の資産に分けて運用することをいいます。投資の格言に「1つのカゴにすべての卵を盛るな」というのがあり、複数の資産に分けることでリスクを抑えることができます。
iDeCo自体の仕組みが長期投資・積立投資ですので、分散投資をおこなうことによりリスクを抑えた運用が可能です。
アセットアロケーション(資産配分)
アセットアロケーションとは、アセットは資産、アロケーションは配分で、株式や債券、預貯金などの資産をどのような比率で保有するかという配分のことです。アセットアロケーションで運用成果の約90%は決まるといわれているので非常に重要です。
アセットアロケーションは、年齢やリスクに対する考え方(リスク許容度)等を考慮し決定します。
投資信託選びのポイント
iDeCoの運用商品には「預貯金・保険」と「投資信託」がありますが、運用益に課税されないiDeCoのメリットを最大限活用するため、投資信託での運用をおすすめします。
投資信託とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用会社の専門家が株式や債券などに投資・運用し、運用成果を投資家に還元する商品です。少額の資金(iDeCoは月5,000円)から始めることができ、株式や債券などに分散投資できますが、元本は保証されません。
1. 投資対象
投資する資産によってリスクとリターンは異なります。資産の分類はさまざまありますが、一般的に「国内債券」「海外債券」「国内株式」「海外株式」に分けられます。高いリターンを期待すれば「海外株式」、リスクを抑えたいなら「国内債券」を選択することになります。各々の資産によりリスクの種類(価格変動、金利、為替、信用)が異なります。(図表8、9)
図表8、資産別リスク・リターンの関係
*あくまで一般的な傾向であり、この通りの分布にならない場合もあります。
図表9、資産クラス分類と特徴
資産クラス | 投資対象 | リターン | リスク | リスク要因 |
国内債券 | 国内の債券に投資 |
低 |
低 | 価格変動、金利、信用 |
国内株式 | 国内の株式に投資 | 中~高 | 中~高 | 価格変動、信用 |
海外債券 | 海外の債券に投資 | 低~中 | 低~中 | 価格変動、金利、信用、為替 |
海外株式 | 海外の株式に投資 | 高 | 高 | 価格変動、信用、為替 |
2. 運用方法
投資信託は運用方法により、「インデックス(パッシブ)運用」と「アクティブ運用」に分かれます。
インデックス運用とは、投資対象におけるベンチマーク(指標)と連動する運用成績を目指すものです。ベンチマークとは、東証株価指数(TOPIX)や日経平均株価などをいいます。(図表9)
専門家(ファンドマネジャー)が運用するので、一見アクティブ運用の方が運用成績が良さようですが、理論上も実際の結果もインデックス運用の方が勝っているケースが多いです。
図表9、インデックス運用とアクティブ運用
インデックス運用 | アクティブ運用 | |
運用目標 | 指数に連動する運用成績を目指す | 指数を上回る運用成績を目指す |
投資判断 | 指数銘柄に投資 | 専門家(ファンドマネジャー) |
コスト | 低い | 高い |
3. 手数料
投資信託の手数料には、「販売手数料」、「信託報酬」、「信託財産留保額」があります。
販売手数料は、通常購入時にかかりますが、ほとんどのiDeCo商品にはかかりません。信託報酬は、すべての商品が対象で、運用時にかかり資産残高から日々差し引かれます。信託財産留保額は、売却時にかかりますが、かかるのは一部の商品です。(図表10)
iDeCoは長期投資のため、なるべく信託報酬の低い商品を選びましょう。
図表10、iDeCoにかかる手数料
販売手数料 | 信託報酬 | 信託財産留保額 | |
かかる時期 | 購入時 | 運用・管理時(毎日) | 売却時 |
対象商品 | 無料の商品が多い | すべての商品 | 一部の商品 |
サービスメニュー | 主なサービス内容 |
料金 (税込) |
|
初回 (約90分) |
・情報ヒアリング (家計収支・住宅物件情報他) ・ご質問の回答 ・住宅ローンの仕組み等の説明 等 |
5,000円 | |
2回目 (約120分) |
・住宅資金計画表の提案 ・ローン借換えプラン提案 等 |
10,000円 | |
初回 (約90分) |
・情報ヒアリング (家計収支・保険加入情報他) ・ご質問の回答 ・保険の仕組み、公的保障等の説明 等 |
5,000円 | |
2回目 (約120分) |
・保険証券診断レポート作成 ・万一のライフプランニング提案 等 |
10,000円 | |
iDeCo相談 |
初回 (約90分) |
・情報ヒアリング(家計収支・人生設計・資産情報他) ・ご質問の回答 ・iDeCo、投資信託等の説明 等 |
5,000円
|
2回目 (約120分) |
・運用目標シート作成 ・最適ポートフォリオ提案 等 |
10,000円 |
☑ 全額返金保証
もし相談にご満足いただけなかった場合は、相談日から2週間以内に連絡をいただければ、理由を問わず全額を返金させていただきます。お気軽にご相談ください。
☑ 土日祝日の面談可能
事前にご予約お願いします。
☑ 複数相談でも同一料金
ご相談のお申し込みは、下記携帯か相談フォームからお願いいたします。
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