住宅ローン、変動型が過去最高

「住宅ローン、変動型が過去最高56%」と7月3日の日経新聞の1面トップに掲載されました。記事は住宅金融支援機構のアンケート調査によるもので、変動型の割合が固定型を5年ぶりに上回ったという内容です。

 

わたしが住宅ローンの相談をさせていただくなかで最も多い質問のひとつが、住宅ローンは変動型か固定型のどちらがいいか、というものです。今回は金利タイプをどのように選んだらよいかをお話します。

 

まず住宅ローンの金利タイプですが大きく3つあります。
1、固定型
2、固定期間選択型
3、変動型

 

1は完済までの金利が変わらないもので、フラット35が代表格です。2は固定期間(2年、3年、5年、10年等)中は金利は一定で、期間終了後はその時点の金利に見直されます。3は金利は半年に1回、返済額は5年に1回見直され、変動幅は従前の返済額の1.25倍までというのが一般的です。

 

変動型は金利が0.5%を切るものもあり、当面の低金利が魅力ですが、金利が上がったときは返済額が増えるというリスクがあります。固定型は変動型と比べると金利は1.3%と高いですが、金利が一定で返済額がずっと変わらないという安心感があります。

 


では住宅ローンの金利はどのように決まるのでしょうか?

変動金利は短期プライムレート(優良企業に貸し出す最優遇金利)に、固定金利は新発10年国債利回りに連動します。

ただ、日銀が2016年から「長短金利操作付き量的・質的緩和」という金融政策を導入し、長短金利の両方を操作しているので、金利は大きな変動もなく低く安定している状態です。

金利は国内および世界の政治、経済の動向にも影響されます。今日の世界の政治経済が混沌としているのは言うまでもなく、今後の金利を正確に予測するのは容易ではありません。

 

 

住宅ローンは約30年という長い期間で組みます。その間、金利が上がらないという保証はなく、上がった際負担が増えるのはローンを組んだひとです。仮にその時期がお子さんの教育費がかかるときや老後資金が必要なときと重なったらどうでしょうか。


現在は金融政策で金利が抑えられている特殊な状況で、今後政策が変わったり国内外の政治経済の動向を考えると、過去とくらべて低金利な固定型を選ばれるほうが賢い選択だと思います。加えてマイホーム購入後将来にわたってかかるお金(生活費、教育費、老後費他)を見すえた資金計画作りが大切です。