コロナ危機時の住宅購入の注意点

昨年12月に中国武漢で発生した新型コロナウイルスの猛威が止まりません。
 
世界の景気の落ち込みは、リーマンショックを上回り、約90年前の世界恐慌以来とさえいわれています。
 
もちろん、わたしたちの生活にも多大な影響を及ぼしています。
 
このような有事のなか、マイホーム購入における注意点を取り上げます。


 
家計管理
収入の減少リスクが家計を直撃します。さまざまな業種で顧客減少による売上げダウンや生産調整等で収入が減っている状況です。パートの方も仕事がなくなったり、学校が一斉休校のため休まざるをえなかったりで、同様でしょう。
 
 
マイホーム購入の際、返済負担率(ローン返済額が年収に占める比率)の目安は一般に25%~35%ですが、もし減収になってもこの比率に収まるか確認が必要です。
 
 
支出において、毎月いくらのお金が、何につかわれているか家計簿等で把握されていない方は、家計の見える化をおこなってください。お金の行き先を把握することが節約の第一歩。最近はスマホの家計簿アプリも充実しており、長い在宅時間は良いチャンスです。
 
現在の家賃よりマイホーム購入後の住宅費が増えるケースが多いので、現在毎月の収支がトントンで貯蓄ができていない方は家計の見直しをおこなわないと赤字に転落します。
 
今後もお子様の成長にともない教育費等が増えていきますので、少しずつ貯蓄ができる家計にしてください。
 


金利
株式相場は大幅に下落しておりますが、住宅ローン金利はどうでしょうか。
 
● 変動金利型(優遇金利)は、大手4行とも今年1月~3月の変動はなく、1行のみ4月に0.575%(▲0.05)と下降
 
● 10年固定型(優遇金利)は、4月に大手4行のうち1行が0.800%(+0.05)、1行が0.645%(+0.045)と上昇
 
● フラット35(9割以下、返済期間21年以上)は、最頻金利が4月に1.30%(+0.06)と上昇
 
 
景気落ち込み時は金利が下がるのが一般的ですが、4月は10年固定型とフラット35の金利は上昇しており、金融市場が不安定のなか予測が難しい状況が続きそうです。
 
 


制度
昨年10月の消費増税にともない住宅ローン減税の控除期間が13年に延長されました。令和2年12月31日までに入居することが適用要件です。
 
コロナの影響で住宅設備の入荷が遅れるケースが増えており、年内までの入居が遅れた場合も、下記の条件を満たしたうえで令和3年12月31日までに入居すれば、減税延長の対象となります。
 
● 注文住宅を新築する場合     令和2年9月末までに契約
● 分譲・既存住宅を取得する場合  令和2年11月末までに契約
 
 
 
今回のコロナ危機は、想定外のことがおこりうる状況なので、平常時より慎重な対応が望まれます。