住宅ローン、注意すべき3つのポイント 後編

住宅ローンの毎月の返済額を決定する三つの要素は、「金利」「借入額」「借入期間」です。

 

前編では「金利」を取り上げましたので、後編は「借入額」と「借入期間」を取り上げます。

 

借入額は物件価格の内、金融機関から融資を受ける額です。低金利が続いていることもあり、借入額の割合は増加傾向です。

 

融資率90%超100%以下と100%超を合計した割合は、融資を受けた人全体の3割強~4割にものぼります。つまりその人たちの自己資金(頭金)は1割未満というわけです。(出所 2020年住宅ローン利用者の実態調査)

 

 

わたしも相談させていただくなかで、正直自己資金が多くある世帯は少ないです。マイホーム取得を主に検討する30代の世帯では、子育てにお金がかかり、貯蓄の習慣がなければ、頭金はなかなか貯まりません。

 

 

では頭金はいくら用意したら良いでしょうか?

 

 

結論として最低1割程度準備することをおすすめします。

 

コロナ禍で住宅ローンの返済に困窮する世帯が増えていますが、オミクロン株の急拡大による第6波をむかえ、収入が不安定の状態が続きます。

 

もしローンの返済が困難になった場合、新築住宅は購入後約2割価格が下がるといわれ、手放そうと思っても売却額がローン残高を下回っていたら手放すことができません。

 

 

頭金1割以外に新築物件では諸費用5~7%、緊急資金(手持ち金)として約6か月分の生活費が必要です。

 

フラット35を代表とする全期間固定型では、頭金の割合によって金利が安くなります。

 

 

 

最後に借入期間ですが、長くするほど毎月の返済額は少なくなりますが、総返済額(元金+利息)は多くなります。

 

金融機関の提案では毎月返済額を抑えるためか最長35年で組んでいることが大半です。

 

 

35歳でローンを組んだ場合、借入期間35年だと繰上げ返済をしなければ70歳まで返済することになります。

 

実際2016年から毎年貸出期間が長くなっており2019年度は27年となっています。(出所 2020年度住宅ローン貸出動向調査)

 

 

2021年4月から70歳まで働きたい希望者に就労機会を用意することが企業の努力義務となりましたが、定年後の再雇用の給料は大幅に下がります。退職金も減少傾向ですし、ローンの返済に充てれば老後資金が不足する可能性が高まります。

 

 

借入期間は現在の定年時期の60歳か65歳までに設定するようにしましょう。