投資でリターンを得るためにはリスクを伴いますが、下記の3つの方法を組み合わせて実践することが、リスクをコントロールし、投資の成果を上げるうえで重要です。

1、長期投資

長期の視点で運用することです。

 

短期間でみると一時的な要因により大きく変動することがありますが、長期間保有すると、リターンのブレ幅(リスク)が小さくなり、安定したリターンを得ることができます。 (図表5-1)

 

保有期間5年(左のグラフ)の場合は、リターン(収益率)が14%~-8%とブレ幅(リスク)が大きいです。

 

一方、保有期間20年(右のグラフ)の場合は、リターンは8%~2%に収まり、リスクが抑えられます。

 

時間を味方につけることにより、複利効果で高い収益が得られますので、乱高下の時も止めずに続けることが大切です。

図表5-1   出所 金融庁
図表5-1   出所 金融庁

2、積立投資

定期的に、一定の金額で購入することです。

 

投資の原則は、「安いときに買って、高いときに売ること」ですが、そのタイミングをとらえることは大変難しいです。

 

買うタイミングを分散することにより、高いときに買い過ぎたり、安いときに買い損ねたりすることを避けることができます。

 

積立投資のひとつに定額購入法(ドルコスト平均法)があります。(図表5-2)

 

 

図表5-2
図表5-2

3、 分散投資

1つの種類の資産で運用するのではなく、複数の資産を組み合わせて運用することです。

 

投資の格言に「1つのカゴにすべての卵を盛るな」というのがあります。卵を複数のカゴに分けたら、1つのカゴを落としてもほかのカゴの卵は無事ということです。

 

リスクの異なる複数の資産を組み合わせること(ポートフォリオ)により、資産全体のリスクを抑える効果が期待できます。

 

図表5-3は、定期預金と2つのポートフォリオの20年間の投資効果です。

  • A.定期預金
  • B.国内株式・国内債券1/2ずつ
  • C.国内・先進国・新興国の株式・債券に1/6ずつ

それぞれのリターンは、以下の通りです。

  • A.年率0.1%、
  • B.年率1.9%、
  • C.年率4.0%

 

Bは国内の資産だけですが、Cは外国(先進国・新興国)の資産を組み合わせることにより、リターンは高く、リスクが抑えられています。

図表5-3      出所 金融庁
図表5-3      出所 金融庁